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中華人民共和国刑事訴訟法(改正)(1条~106条)
来源:JETRO 发布日期:2013-01-01

中華人民共和国刑事訴訟法
(1979 年 7 月 1 日第 5 期全国人民代表大会第 2 回会議採択。1996 年 3 月 17 日第 8 期全国人民代表大会第 4 回会議の『「中華人民共和国刑事訴訟法」の改正に関する決定』により 1 回目の改正。2012 年 3 月 14 日第 11 期全国人民代表大会第 5 回会議の『「中華人民共和国刑事訴訟法」の改正に関する決定』により 2 回目の改正。)


目次
第一編 総則
第一章 任務及び基本原則
第二章 管轄
第三章 忌避
第四章 弁護及び代理
第五章 証拠
第六章 強制措置
第七章 附帯民事訴訟
第八章 期間及び送達
第九章 その他の規定

第二編 事件の立件、捜査及び公訴の提起
第一章 事件の立件
第二章 捜査
第一節 一般規定
第二節 被疑者の取調べ
第三節 証人尋問
第四節 検証及び身体検査
第五節 捜索
第六節 物証及び書証の封印、差押え
第七節 鑑定
第八節 技術的捜査措置
第九節 指名手配
第十節 捜査の終結
第十一節 人民検察院が直接受理する事件の捜査
第三章 公訴の提起

第三編 裁判
第一章 裁判組織
第二章 第一審手続
第一節 公訴事件
第二節 自訴事件
第三節 簡易手続
第三章 第二審手続
第四章 死刑再審手続
第五章 裁判監督手続

第四編 執行

第五編 特別手続
第一章 未成年者の刑事事件訴訟手続き
第二章 当事者が和解した公訴事件の訴訟手続
第三章 被疑者又は被告人の逃亡及び死亡事件における当該者の不法な所得の没収手続
第四章 刑事責任のない精神上の障害を持つ者に対する法により強制的医療手続

附則


第一編 総則

第一章 任務及び基本原則

第一条 刑法を正しく適用することを保障し、犯罪を処罰し、人民を保護し、国家の安全及び社会公共の安全を保障し、社会主義の社会秩序を維持するために、憲法に基づいてこの法律を制定する。

第二条 中華人民共和国刑事訴訟法の任務は、犯罪事実を的確、且つ速やかに調査の上明らかにし、法律を正しく適用して、罪を犯した者を処罰することを保障し、罪のない者が刑事訴追を受けることのないよう保障し、また公民が自覚的に法律を遵守し、積極的に犯行と戦うよう教育し、社会主義法制を守ることによって、公民の人身の権利、財産の権利、民主的権利その他の権利を保護し、社会主義建設事業の順調な進展を保障することである。

第三条 刑事事件の捜査、勾留、逮捕の執行及び予備審査は、公安機関が責任を負う。
検察、逮捕の許可、検察機関の直接に受理する事件の捜査及び公訴の提起は、人民検察院が責任を負う。裁判は、人民法院が責任を負う。法律に特別の規定がある場合を除いて、その他のいかなる機関、団体及び個人もこれらの権力を行使する権限を持たない。
2 人民法院、人民検察院及び公安機関は、刑事訴訟を行うに当たって、この法律その他の法律の関係規定を厳格に遵守しなければならない。

第四条 国家安全機関は、法律の規定により国家の安全を脅かす事件を扱い、公安機
関と同様な職務権限を行使する。

第五条 人民法院は、法律の規定により独立に裁判権を行使し、人民検察院は、法律の規定により独立に検察権を行使し、行政機関、社会団体及び個人の干渉を受けない。

第六条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、刑事訴訟を行う場合には、大衆に依拠しなければならず、事実を根拠とし、法律に準拠しければならない。すべての公民は、法律の適用において一律平等であり、法の前ではいかなる特権も許されない。

第七条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、刑事訴訟を行う場合には、責任を分担し、互いに協力し、制約しあい、法律の的確で効果的な執行を保証しなければならない。

第八条 人民検察院は、法により刑事訴訟について法律監督を行う。

第九条 各民族の公民は、いずれも当該民族の言語及び文字を用いて訴訟をする権利を持つ。人民法院、人民検察院及び公安機関は、当該地区で通用する言語及び文字に通暁していない訴訟参加人に対し、通訳及び翻訳を提供しなければならない。
2 少数民族が集合して居住し、又は他民族が雑居する地区においては、当該地区で通用する言語を用いて審理をし、また当該地区で通用する文字を用いて判決書、告示その他の文書を発布しなければならない。

第十条 人民法院は、事件を裁判する場合には、二審終審制を実行する。

第十一条 人民法院は、事件を裁判する場合には、この法律に別段の定めがある場合を除いて、すべて公開して行う。被告人は、弁護を受ける権利を有し、人民法院は被告人の弁護権を保障する義務を負う。

第十二条 人民法院の法による判決を経ずに、いかなる者に対しても有罪を確定してはならない。

第十三条 人民法院は、事件を裁判する場合には、この法律により人民陪審員による参審制度を実行する。

第十四条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、被疑者、被告人その他の訴訟参加者が法により享有する弁護の権利その他の訴訟上の権利を保障しなければならない。
2 訴訟参加者は、公民の訴訟上の権利を侵害し、人身を侮辱する裁判官、検察官及び捜査官の行為に対して、告訴する権利を持つ。

第十五条 次の各号に掲げる事由のいずれかがあるときは、刑事責任を追及せず、すでに手続が開始されている場合は、事件の立件を取り消し、不起訴とし、審理を終了し、又は無罪を宣告しなければならない。
一 情状が著しく軽微で、危害が大きくなく、犯罪と認められないとき。
二 犯罪がすでに訴追の時効期間を過ぎているとき。
三 特赦令によって刑が免除されたとき。
四 刑法により告訴を待って処理する犯罪で、告訴がないか又は告訴が撤回されたとき。
五 被疑者又は被告人が死亡したとき。
六 その他法律の規定により刑事責任の追及を免除するとき。

第十六条 外国人の犯罪で刑事責任を追及しなければならないものについては、この法律の規定を適用する。
2 外交上の特権及び免除権を持つ外国人の犯罪で刑事責任を追及しなければならないものについては、外交ルートを通じて解決する。

第十七条 わが国の司法機関は、中華人民共和国が締結し、又は参加した国際条約に基づいて、若しくは互恵の原則に照らして、外国の司法機関と相互に刑事司法共助を請求することができる。

第二章 管轄

第十八条 刑事事件の捜査は、公安機関が行う。但し、法律に別段の定めがあるものを除く。
2 汚職・賄賂犯罪、国家公務員の職務犯罪、国家機関公務員が職権を乱用して行った不法拘禁、拷問による自白の強要、報復陥害又は不法捜査により公民の人身の権利を侵害する犯罪又は公民の民主的権利を侵害する犯罪については、人民検察院が立件し、捜査する。国家機関公務員が職権を利用して行ったその他の重大な犯罪事件については、人民検察院が直接受理する必要のあるときは、省級以上の人民検察院の決定を経て、人民検察院が立件し、捜査することができる。
3 自訴事件については、人民法院が直接受理する。

第十九条 基層人民法院は、一般刑事事件の第一審を管轄する。但し、この法律により上級の人民法院が管轄するものは除く。

第二十条 中級人民法院は、次の各号に掲げる刑事事件の第一審を管轄する。
一 国家の安全を脅かす事件及びテロ事件。
二 無期懲役又は死刑を科する可能性のある一般刑事事件。

第二十一条 高級人民法院が第一審を管轄する刑事事件は、全省(自治区、直轄市)に及ぶ重大な刑事事件とする。

第二十二条 最高人民法院が第一審を管轄する刑事事件は、全国に及ぶ重大な刑事事件とする。

第二十三条 上級の人民法院は、必要な場合には、下級の人民法院が第一審を管轄する刑事事件を審理することができる。下級の人民法院は、事件の内容が重大且つ複雑であり上級の人民法院が裁判すべきものと認める第一審の刑事事件を、直近上級の人民法院に移送して裁判するよう請求することができる。

第二十四条 刑事事件は、犯罪地の人民法院が管轄する。被告人居住地の人民法院で裁判することがより適切な場合には、被告人居住地の人民法院の管轄とすることができる。

第二十五条 複数の同級人民法院が管轄権を持つ事件は、最初に受理した人民法院が裁判する。必要な場合には、主な犯罪地の人民法院に移送して裁判することができる。

第二十六条 上級の人民法院は、下級の人民法院に対し管轄が明らかでない事件を裁判するよう指定することができ、また、下級の人民法院に対し他の人民法院に事件を移送して裁判するよう指定することができる。

第二十七条 専門人民法院の事件管轄は、別にこれを定める。

第三章 忌避

第二十八条 裁判官、検察官及び捜査官は以下の状況のいずれかに該当する場合、自ら回避しなければならず、当事者及びその法定代理人は該当者の忌避を要求する権利を持つ。
一 当該事件の当事者又は当事者の近親者であるとき。
二 本人又はその近親者が当該事件と利害関係を有するとき。
三 当該事件について証人、鑑定人、弁護人又は訴訟代理人となったとき。
四 当該事件の当事者とその他の関係を有し、事件の公正な処理に影響を及ぼすおそれのあるとき

第二十九条 裁判官、検察官及び捜査官は、当事者又はその依頼者から接待を受けたり贈り物を受け取ってはならず、規定に違反して当事者又はその依頼者と接見してはならない。
2 裁判官、検察官又は捜査官が、前項の規定に違反した場合には、法により法律上の責任を追及しなければならない。当事者及び法定代理人は、該当者の忌避を請求する権利を持つ。

第三十条 裁判官、検察官又は捜査官の忌避については、院長、検察長、公安機関責任者がそれぞれ決定する。 院長の忌避については、 当該人民法院の裁判委員会が決定する。検察長及び公安機関責任者の忌避は、同級の人民検察院検察委員会が決定する。
2 捜査官の忌避が決定されるまでは、捜査官は事件の捜査を停止してはならない。
3 忌避請求却下の決定については、当事者又はその法定代理人は再議を一回申し立てるすることができる。

第三十一条 この章の忌避に関する規定は、書記員、通訳・翻訳者及び鑑定人に適用する。
2 弁護人、訴訟代理人は、この章の規定により忌避を請求し、再議を申し立てることができる。

第四章 弁護及び代理

第三十二条 被疑者又は被告人は、自ら弁護権を行使するほか、一人乃至二人の弁護人を依頼することができる。 弁護人として依頼されるのは、次の各号に掲げる者である。
一 弁護士。
二 人民団体又は被疑者若しくは被告人の所属する単位が推薦する者。
三 被疑者又は被告人の後見人、親族及び友人。
2 現に刑罰を受けている者又は法により人身の自由を剥奪され若しくは制限されている者を、弁護人とすることはできない。

第三十三条 被疑者は、 捜査機関から 1 回目の取り調べ、 又は強制措置を受けた日から、弁護人を依頼する権利を有する。捜査期間中においては、弁護人を弁護士の中から選任しなければならない。被告人は随時弁護人を依頼する権利を持つ。
2 捜査機関は、初めて被疑者に対する取り調べ又は被疑者に対して強制措置を講じる場合、弁護人を依頼する権利を被疑者に告知しなければならない。人民検察院は、移送された訴えの提起事件の資料を受け取った日から三日以内に、弁護人を依頼する権利を被疑者に告知しなければならない。人民法院は、事件を受理した日から三日以内に、弁護人を依頼する権利を被告人に告知しなければならない。被疑者又は被告人が拘禁期間中に弁護人を依頼することを請求する場合、人民法院、人民検察院及び公安機関は、当該者の請求を速やかに伝達しなければならない。
3 被疑者又は被告人が拘禁される場合、当該者の後見人、近親者が本人に代わり弁護人を依頼することができる。
4 弁護人は被疑者又は被告人の依頼を受けた後、事件処理の機関に速やかに通知しなければならない。

第三十四条 被疑者、被告人が経済的困難又はその他の理由によって弁護人を依頼していない場合には、本人及びその近親者は、法的援助機関に要請することができる。法的援助の要件に合致するものに対し、法的援助機関は弁護士を選任・派遣して当該者に弁護を提供しなければならない。
2 被疑者又は被告人が視覚障害者、聴覚障害者、若しくは言語機能障害者又は判別能力若しくは自己行為のコントロール能力を完全に失っていない精神上の障害を持っている者であり、弁護人を依頼していない場合には、人民法院、人民検察院、公安機関は、弁護士を選任・派遣して当該者のために弁護を提供するよう法的援助機関に通知しなければ ならない。
3 被疑者又は被告人が死刑を処せられる可能性のある者であり弁護人を依頼していない場合には、人民法院、人民検察院、公安機関は、弁護士を選任・派遣して当該者のために弁護を提供するよう法的援助機関に通知しなければ ならない。

第三十五条 弁護人の責任は、事実と法律に基づいて、被疑者又は被告人の無罪、罪が軽微であること又はその刑事責任の軽減若しくは免除を証明する資料と意見を提出し、被疑者又は被告人の訴訟上の権利その他の適法な権益を維持保護することである。

第三十六条 弁護士である弁護人は、捜査期間において被疑者への法的援助の提供、上訴又は告訴の代理、強制措置の変更の申し立てを行うことができ、捜査機関に照会し、被疑者が嫌疑をかけられている罪名と事件の状況を把握し、意見を提出することができる。

第三十七条 弁護士である弁護人は、拘禁されている被疑者又は被告人と接見し、通信することができる。その他の弁護士でない弁護人も、人民法院、人民検察院の許可を得て、拘禁されている被疑者又は被告人とも接見し、通信することができる。
2 弁護士である弁護人が弁護士執業証書、弁護士事務所の証明書及び委任状又は法的援助に関する書簡形式の公文書を持参して拘禁中の被疑者又は被告人との接見を請求する場合、留置場は速やかに接見を手配しなければならず、遅くとも四十八時間を超えてはならない。
3 国家の安全を脅かす犯罪、テロリストによる犯罪又は特別の重大な収賄罪の事件については、捜査期間に弁護士である弁護人が拘禁されている被疑者と接見する場合は、捜査機関の許可を経なければならない。上記事件について、捜査機関は予め留置場に通知しなければならない。
4 弁護士である弁護人は、拘禁されている被疑者又は被告人と接見するとき、事件と関わりがある状況を聴取し、法的諮問等を提供し、移送した事件が審査・訴えが提起された日から、被疑者又は被告人と関連証拠を検証することができる。弁護士である弁護人は、被疑者又は被告人と接見するとき、監視されない。
5 弁護士である弁護人が居住監視を受ける被疑者又は被告人と接見し、通信する場合には、第一項、第三項、第四項の規定を適用する。

第三十八条 弁護士である弁護人は、人民検察院が事件を審査・訴えの提起した日から、当該事件の記録資料を閲覧し、抜書きし、複写することができる。その他の弁護士でない弁護人も、人民法院、人民検察院の許可を経て、上述の資料を閲覧、謄写、複写することができる。

第三十九条 弁護人は、捜査又は審査・訴えの提起期間において、公安機関、人民検察院が収集した被疑者又は被告人の無罪又は罪が軽微であったことを証明する証拠資料を提出していないと認めた場合、人民検察院、人民法院に証拠調べを申し立てる権利を有する。

第四十条 弁護人が収集した、被疑者の犯罪現場に立ち入っていないこと、刑事責任を負う年齢に達してないこと、法により刑事責任を負うべきでない精神上の障害を持つことに関する証拠については、 速やかに公安機関、 人民検察院に告知しなければならない。

第四十一条 弁護士である弁護人は、証人又はその他の関係組織及び個人の同意を経て、当該者から当該事件に関係する資料を収集することができ、人民検察院、人民法院に証拠の収集・取り調べを申請すること、又は人民法院に対して証人に出廷し証言するよう通知することを申請することもできる。
2 弁護士である弁護人は、人民検察院又は人民法院の許可を経て、且つ被害者又はその近親者、被害者が指名する証人の同意を経て、当該者から同事件に関連する資料を収集することができる。

第四十二条 弁護人又はその他のいかなる者は、被疑者又は被告人が証拠を隠匿し、隠滅し、偽造するか又は供述の口裏合わせをすることを幇助してはならず、証人に証言を変えさせ、又は偽証するよう脅迫し、誘惑してはならず、若しくはその他の司法機関の訴訟活動を妨げる行為を行ってはならない。
2 前項の規定に違反した場合、法により法的責任を追及しなければならず、弁護人に犯罪の嫌疑がかかる場合は、弁護人が引き受けた事件を扱う捜査機関以外の捜査機関が処理しなければならない。弁護人が弁護士である場合は、当該者が所属する弁護士事務所又は所属する弁護士協会に速やかに通知しなければならない。

第四十三条 裁判の過程において、被告人は、弁護人の弁護の継続を拒否することができ、又は別の弁護人に弁護を依頼することができる。

第四十四条 公訴事件の被害者又はその法定代理人若しくは近親者又は附帯民事訴訟の当事者若しくはその法定代理人は、移送した事件が審査、訴えの提起された日から、訴訟代理人を依頼する権利を持つ。自訴事件の自訴人若しくはその法定代理人又は附帯民事訴訟の当事者若しくはその法定代理人は、いつでも訴訟代理人を依頼することができる。
2 人民検察院は、移送された審査、訴えの提起事件の資料を受け取った日から三日以内に、被害者又はその法定代理人若しくは近親者又は附帯民事訴訟の当事者若しくはその法定代理人に対し、訴訟代理人を依頼する権利を持つことを告知しなければならない。人民法院は、自訴事件を受け取った日から三日以内に、自訴人若しくはその法定代理人又は附帯民事訴訟の当事者若しくはその法定代理人に、訴訟代理人を依頼する権利を持つことを告知しなければならない。

第四十五条 訴訟代理人を依頼する場合には、第三十二条を参照し、適用する。

第四十六条 弁護士である弁護人は執務において知り得た委託人に関する状況と情報に対し、機密を保持する権利を持つ。但し、弁護士である弁護人は、執務において知り得た委託人又はその他の者が、国家の安全、公共安全を脅かす犯罪を実行しようとし、又は実行している場合、或いは他人の人身上の安全を著しく脅かす犯罪を実行する場合、司法機関に速やかに通知しなければならない。

第四十七条 弁護人又は訴訟代理人は公安機関、人民検察院、人民法院及びそれらの機職員が、法による訴訟上の権利の行使を妨げていると認める場合、同級又は直近上級の人民検察院に上訴又は告訴する権利を有する。人民検察院は、上訴又は告訴に対して、速やかに審査を行い、事実であった場合、関連機関に是正するよう通知しなれければならない。

第五章 証拠

第四十八条 事件の真実の状況を証明する資料は、証拠である。
2 証拠には、次の各号に掲げるものが含まれる。
一 物証。
二 書証。
三 証人の証言。
四 被害者の陳述。
五 被疑者又は被告人の供述又は弁解。
六 鑑定結果。
七 検証、検査、判別、捜査実験等記録。
八 視聴覚資料、電子データ。
3 以上の証拠は、調査を経て真実であることを確かめた後に限り、事件を確定する根拠とすることができる。

第四十九条 公訴事件における被告人の有罪について挙証責任は、人民検察院が負う。
自訴事件における被告人の有罪についての挙証責任は、自訴人が負う。

第五十条 裁判官、検察官及び捜査官は、法に定める手続に従って、被疑者又は被告人の有罪若しくは無罪又は犯罪の情状の軽重を十分に立証できる各種の証拠を収集しなければならない。拷問による自白の強要並びに脅迫、誘惑、欺瞞又はその他の不法な方法による証拠収集を厳禁し、いかなる者にも自ら有罪を立証するよう強要してはならない。事件と関わりがあるか又は事件の内容を知るすべての公民が、客観的且つ十分に証拠を提供できる要件を備え、別段の事情のある場合を除いて、捜査への協力が得られるように保証しなければならない。

第五十一条 公安機関の逮捕許可請求書、人民検察院の起訴状及び人民法院の判決書は、ありのままの事実に忠実でなければならない。ありのままの事実を意図的に隠した者に対しては、その責任を追及しなければならない。

第五十二条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、関係単位又は個人から証拠を収集し、取調べる権限を持つ。関係単位又は個人は、ありのままに証拠を提供しなければならない。
2 行政機関は、行政上の法執行又は事件の調査・処理過程において収集した物証、書証、視聴覚資料、電子データ等の証拠資料を、刑事訴訟において証拠として利用することができる。
3 国家機密、営業秘密、個人のプライバシーに関わる証拠については、機密を保持しなければならない。
4 証拠を偽造し、隠匿し、又は隠滅した者は、いずれの側に属する場合であっても、法的追及を受けなければならない。

第五十三条 あらゆる事件に対する判決は、証拠を重んじ、調査研究を重んじ、自白を軽々しく信じてはならない。 被告人の供述があるだけで、 その他の証拠がない場合には、被告人を有罪と認定して刑罰に処することはできない。被告人の供述がなくても、証拠が確実で十分である場合には、被告人を有罪と認定し、刑罰に処することができる。
2 証拠が確実で十分であるためには、次の各号に掲げる要件を満たさなければならない。
一 犯罪認定及び刑の量定の事実については、すべて証明する証拠があること。
二 事件の確定に用いられる証拠については、法の定める手続きを経て、調査の上、
事実であることを明らかにすること。
三 事件のあらゆる証拠を総合し、認定された事実については、合理的な疑いが排除
されたこと

第五十四条 拷問による自白の強要等不法な方法をもって収集した被疑者、被告人の供述、暴力及び脅迫等不法な方法によって収集した証人の証言又は被害者の陳述については、排除しなければならない。物証、書証の収集が法の定める手続きに違反し、司法の公正に重大な影響を及ぼすおそれのある場合には、補正又は合理的な説明を行わなければならない。補正又は合理的な説明ができない場合には、当該証拠を排除しなければならない。
2 捜査、審査・訴えの提起、裁判において、排除すべき証拠があることを発見した場合には、法により排除しなければならず、訴えの提起の意見、訴えの提起の決定及び判決の根拠としてはならない。

第五十五条 人民検察院は、事件の通報、告訴、摘発を受け、又は捜査官が不法な手段で証拠を収集したことを発見した場合には、調査の上、確認しなければならない。不法な手段で証拠を収集したことが確実である場合には、是正の意見を提出しなければならず、犯罪を構成する場合、法により刑事責任を追求しなければならない。

第五十六条 法廷審査の過程において、裁判官は、第五十四条が定める不法な方式による証拠の収集という事実が存在するおそれのあると認めた場合、証拠収集の適法性について、法廷調査を行わなければならない。
2 当事者、弁護人及び訴訟代理人は、人民法院が不法な手段で収集した証拠を法により排除するよう申し立てる権利を持つ。不法な手段で収集した証拠を排除することを申し立てる場合には、関連する手掛かり又は資料を提供しなければならない。

第五十七条 証拠収集上の適法性について法廷調査を実施するに当たって、人民検察院は、証拠収集の適法性を証明しなければならない。
2 既存の証拠資料をもって証拠収集上の適法性を証明することができない場合には、人民検察院は、人民法院に、関連捜査官又はその他の者に対して出廷して事情説明を行うための通知を出すよう促すことができる。人民法院は、関連捜査官又はその他の者に対し、 出廷して事情説明を行うよう通知することができる。 関連捜査官又はその他の者は、出廷して事情説明を行うことを請求することもできる。人民法院の通知を経て、関係者は出廷しなければならない。

第五十八条 法廷の審理を経て、第五十四条に定める不法な手段によって証拠を収集した状況が確認され、又は排除することができない場合には、関連証拠を排除しなければならない。

第五十九条 証人の証言は、法廷で公訴人、被害者及び被告人、弁護人双方の質問を経なければならず、確かめた後に限り、事件を確定する根拠とすることができる。法廷で証人が意図的に偽証するか又は罪証を隠匿したことが判明したときは、法により処理しなければならない。

第六十条 事件の状況を知る者は、すベて、証言する義務を負う。
2 生理的、精神的な欠陥を持つ、又は年少であるために、是非の判別ができず、正しく表現できない者は、証人になることができない。

第六十一条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、証人及びその近親者の安全を保障しなければならない。
2 証人又はその近親者に対する脅迫、侮辱、殴打又は報復については、犯罪を構成する場合は、法により刑事責任を追及し、刑事責任を追及すべき程度に達しない場合は、法により治安管理処罰に処する。

第六十二条 国家の安全を脅かす犯罪、テロリストによる犯罪、暴力団体による犯罪、薬物犯罪等の事件に対し、証人、鑑定人、被害者が訴訟において証言することにより、本人又はその近親者の人身上の安全が危険にさらされる場合には、人民法院、人民検察院、 公安機関は、 次の各号に掲げる一つか又は複数の保護措置を講じなければならない。
一 本当の氏名、住所及び勤務先等の個人情報を公開しないこと。
二 外貌、肉声等を明らかにしないで出廷・証言させる措置を講じること。
三 特定の者が証人、鑑定人、被害者及びその近親者と接することを禁止すること。
四 人身及び住宅に対して専門的な保護措置を講じること。
五 その他の必要な保護措置。
2 証人、鑑定人、被害者は、訴訟において証言することにより、本人又はその近親者の人身上の安全が危険にさらされるおそれがあると認める場合には、人民法院、人民検察院、公安機関に対し保護を請求することができる。
3 人民法院、人民検察院、公安機関は、法により保護措置を講じ、関連単位及び個人はこれに協力しなければならない。

第六十三条 証人が証言義務を履行するために支出した交通費、宿泊費、食費等必要な経費は、補助しなければならない。証人の証言に関わる補助は、司法機関の業務経費に計上し、同級政府の財政が保障する。
2 勤務単位に所属する証人が証言する場合、その勤務単位は当該者の給与、賞与その他の福利厚生を差し引いたり、又は形を変えて差し引いたりしてはならない。

第六章 強制措置

第六十四条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、事件の状況に基づいて、被疑者又は被告人について勾引し、保釈又は居住監視を行うことができる。

第六十五条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、次の各号に掲げる事由のいずれかに該当する被疑者又は被告人について、保釈することができる。
一 管制、拘留又は独立して適用できる付加刑に処する可能性のある者。
二 有期懲役以上の刑罰に処する可能性があり、保釈しても社会への危険性がない者。
三 重病で生活上の自立ができない、若しくは女子で懐胎中又は授乳中にあり、立保
証しても社会への危険性がない者。
四 拘禁期間が満了したものの、 事件が終結しておらず、 保釈を講じられるべき者。
2 保釈は、公安機関が執行する。

第六十六条 人民法院、人民検察院及び公安機関は被疑者又は被告人に保釈を決定する場合には、被疑者又は被告人に対し、保証人を提供するか又は保証金を納付する命令を下さなければならない。

第六十七条 保証人は、次の各号に掲げる要件を満たす者でなければならない。
一 当該事件と関係のない者。
二 保証義務を履行する能力のある者。
三 政治的権利を持ち、人身の自由の制限を受けたことのない者。
四 定まった住所と収入がある者。

第六十八条 保証人は、次の各号に掲げる義務を履行しなければならない。
一 被保証人が第六十九条の規定を遵守するよう監督すること。
二 被保証人が第六十九条の規定に違反する可能性があるか又は違反したことを発見した場合は、速やかに執行機関に報告しなければならないこと。
2 被保証人が第六十九条に規定する行為に違反し、保証人が保証義務を履行しない場合には、保証人を過料に処する。犯罪を構成するときは、法により刑事責任を追及する。

第六十九条 保釈を受ける被疑者又は被告人は、次の各号に掲げる規定を遵守しなければならない。
一 執行機関の許可を受けずに、居住している市又は県を離れてはならない。
二 住所、勤務単位及び連絡先に変更が生じる場合には、二十四時間以内に執行機関に報告しなければならない。
三 呼出を受けた場合、時間通りに出頭しなければならない。
四 いかなる形でも証人の証言を妨げてはならない。
五 証拠を隠滅し、偽造し、又は供述の口裏合わせをしてはならない。
2 人民法院、人民検察院及び公安機関は、事件の状況に基づき、保釈を受ける被疑者、被告人に対し、次の各号に掲げる一つ又は複数の規定を遵守するよう命令することができる。
一 特定の場所に立ち入ってはならないこと。
二 特定の者と接見又は通信してはならないこと。
三 特定の活動に従事してはならないこと。
四 パスポート等の出入国証明書、自動車免許を執行機関に渡し、保管させること。
3 保釈を受ける被疑者又は被告人が上述の二項の規定に違反した場合、すでに保証金を支払っているときは、その保証金の一部又は全部を没収し、且つ、状況により区別して、 被疑者又は被告人に改悛誓約を命じ、 改めて保証金を支払わせ、 保証人を提供させ、居住を監視し、又はこれを逮捕する。
4 保釈の規定に違反し、逮捕する必要がある場合には、被疑者又は被告人を直ちに勾留することができる。

第七十条 保釈を決定する機関は、訴訟上の活動の正常化を保証するため、必要事項、保釈を受ける者の社会への危険性、事件の性質、情状、判決される可能性のある刑罰の軽重、保釈を受ける者の経済的状況等を総合的に考慮した上、保証金の価額を確定しなければならない。
2 保証金を提供する者は、保証金を執行機関が指定する銀行の特定口座に送金しなければならない。

第七十一条 被疑者又は被告人は、保釈期間中に本法第六十九条の規定に違反せず、保釈の期間が満了したときは、保釈の解除通知又は関連の法律書類をもって銀行に出向いて返還された保証金を受領する。

第七十二条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、逮捕の要件に合致し、次の各号に掲げる事由のいずれかに該当する被疑者、被告人に対し、居住監視を行うことができる。
一 重病で生活上の自立ができない者。
二 懐胎中又は授乳中の女子。
三 生活上の自立ができない者にとって唯一の扶養者である者。
四 事件の特別な事情又は事件の処理のための必要性によって、居住監視の措置が最も適用される者。
五 拘禁期間が満了したものの、事件は終結しておらず、居住監視の措置が講じられるべき者。
2 保釈の要件に合致するものの、被疑者又は被告人が保証人を指定できず、且つ保証金も納付することができない場合には、居住監視を行うことができる。
3 居住監視は、公安機関が執行する。

第七十三条 居住監視は、被疑者又は被告人の住所にて執行しなければならない。定まった住所がない場合には、指定された居所にて執行することができる。国家の安全を脅かす犯罪、テロリストによる犯罪、特別に重大な賄賂による犯罪で、住所における執行が捜査に妨害を及ぼすおそれのある場合には、直近上級の人民検察院又は公安機関の許可を経て、指定された居所において執行することができる。但し、拘禁場所、事件の専門処理場所において執行してはならない。
2 指定された居所において居住監視を行う場合には、通知するすべがない場合を除き、居住管理が執行された後の二十四時間以内に、居住監視を受ける者の家族に通知しなければならない。
3 居住監視を受ける被疑者又は被告人は弁護人を依頼するとき、第三十三条の規定を適用する。
4 人民検察院は、指定された居所における居住監視の決定及び執行が適法かどうかについて、監督を行う。

第七十四条 指定する居所における居住監視の期間は刑期に折算しなければならない。管制の言い渡しを受けた場合は、居住監視の一日は刑期の一日に折算し、拘留、懲役の言い渡しを受けた場合は、居住監視の二日は刑期の一日に折算する。

第七十五条 居住監視を受ける被疑者又は被告人は、次の各号に掲げる規定を遵守しなければならない。
一 執行機関の許可を受けず、居住監視が執行されている住所を離れてはならないこと。
二 執行機関の許可を得ずに、他人に接見又は通信をしてはならないこと。
三 呼出を受けた場合、時間通りに出頭しなければならないこと。
四 いかなる形でも証人の証言を妨げてはならないこと。
五 証拠を隠滅し、偽造し、又は供述の口裏合わせをしてはならないこと。
六 パスポート等の出入国証明書、身分証明書、自動車免許を執行機関に渡し、保管させること。
2 居住監視を受ける被疑者又は被告人が前項の規定に違反し、その情状が重い場合は、逮捕することができる。逮捕する必要がある場合は、被疑者又は被告人に対し、直ちに勾留することができる。

第七十六条 執行機関は、居住監視を受ける被疑者又は被告人に対し、電子設備による監視、不定期による検査等の監視方法をもって、当該者が居住監視の規定を遵守する状況について監督し、捜査期間中、居住監視を受けた被疑者の通信を監視することができる。

第七十七条 人民法院、人民検察院及び公安機関が、被疑者又は被告人に対して保釈させる場合、その期間は 最長十二月を超えてはならず、居住監視をする場合その期間は最長六月を超えてはならないこととする。
2 保釈又は居住監視の期間中、事件の捜査、訴えの提起及び審理を中断してはならない。刑事責任を追及すべきでないことを発見し、又は保釈若しくは居住監視の期限が満了した場合は、速やかに保釈又は居住監視を解除しなければならない。保釈又は居住監視を解除した後速やかに、保釈を受ける者、居住監視を受ける者、及び関係する単位に通知しなければならない。

第七十八条 被疑者又は被告人の逮捕は、人民検察院の許可又は人民法院の決定を経た上で、公安機関が執行しなければならない。

第七十九条 犯罪事実があることを証明する証拠があり、懲役以上の刑に処する可能性のある被疑者又は被告人に対し、保釈の方法によっても、なお社会への危険の発生を防止するのに足らない場合には、逮捕しなければならない。
一 新たな犯罪を実施する可能性のある場合。
二 国家の安全、公共安全又は社会的秩序を脅かす現実的な危険性がある場合。
三 証拠を隠滅し、偽造し、証人の証言を妨げ、又は供述の口裏合わせをする可能性がある場合。
四 被害者、告発人、告訴人に対し、報復する可能性のある場合。
五 自殺又は逃亡を企図する場合。
2 犯罪事実があることを証明する証拠があり、十年以上の懲役を判決する可能性がある場合、又は犯罪事実があることを証明する証拠があり、懲役以上の刑を判決する可能性があり、故意に犯罪を犯していた若しくは身元が不明の場合は、逮捕しなければならない。
3 保釈又は居住監視を受けた被疑者又は被告人が、保釈又は居住監視の規定に違反し、情状が重い場合には、逮捕することができる。

第八十条 公安機関は、現行犯又は重大な容疑者について、次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合には、直ちに勾留することができる。
一 現に犯罪を準備中であるか、犯罪を実行中であるか、又は犯行直後であるとき。
二 被害者又は現場で目撃した者が犯人であると認めたとき。
三 身辺又は住居で犯罪の証拠が発見されたとき。
四 犯行の後自殺若しくは逃亡を企図し、又は逃亡中であるとき。
五 証拠の隠滅、偽造又は供述のロ裏合わせをする可能性があるとき。
六 真実の氏名、住所を言わず、身元が不明であるとき。
七 放浪中に犯罪を引き起し、何回も罪を犯し、又は集団的犯罪を行う重大な疑いのあるとき。

第八十一条 公安機関は、管轄外の場所で勾留又は逮捕を執行するときは、被勾留者又は被逮捕者の所在地の公安機関に通知しなければならず、被勾留者又は被逮捕者の所在地の公安機関は、これに協力しなければならない。

第八十二条 次の各号に掲げる者については、いかなる公民も直ちにこれを捕えて、公安機関、人民検察院又は人民法院に引き渡して処理させることができる。
一 犯罪の実行中にあるか又は犯行直後にある者。
二 指名手配中の者。
三 脱獄して逃亡した者。
四 追跡されている者。

第八十三条 公安機関が人を勾留するときは、勾留状を示さなければならない。
2 勾留後、二十四時間を超えない範囲で直ちに被勾留者を留置場に拘禁するよう送致する。通知の方法がないか、又は、国家の安全を脅かす疑いのある犯罪、テロ事件の疑いがある犯罪の通知によって、捜査が妨げられるおそれのある場合を除き、勾留後二十四時間以内に、被勾留者の家族に通知しなければならない。捜査を妨げる事由が消滅した後、直ちに被勾留者の家族に通知しなければならない。

第八十四条 公安機関は、被勾留者に対し、勾留後二十四時間以内に取調べを行わなければならない。勾留が不当であることが判明したときは、直ちに釈放し、釈放証明を発行しなければならない。

第八十五条 公安機関が被疑者の逮捕を請求するときは、逮捕許可請求書を作成し、事件記録資料及び証拠とともに、 同級の人民検察院に送付して許可審査を経なければならない。人民検察院は、必要な場合には、公安機関に要員を派遣して重大事件の討議に参加させることができる。

第八十六条 人民検察院は、逮捕の許可審査について、被疑者に対し取り調べを行うことができる。次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合、被疑者に対し取り調べを行わなければならない。
一 逮捕の要件に合致するかどうかについて疑問がある場合。
二 被疑者が検察官に、対面で陳述するよう請求する場合。
三 捜査活動に重大な不法行為のあるおそれがある場合。
2 人民検察院は、逮捕の許可審査について、証人等訴訟参加者に尋問し、弁護士である弁護人の意見を聞き取ることができる。弁護士である弁護人の要請がある場合、弁護士である弁護人の意見を聞き取らなければならない。

第八十七条 人民検察院における被疑者の逮捕の許可審査は、検察長が決定する。重大事件は検察委員会にかけて討議し、決定しなければならない。

第八十八条 人民検察院は、公安機関が逮捕許可請求をした事件について審査した後、状況に応じてそれぞれ逮捕の許可、逮捕の不許可の決定を行わなければならない。逮捕許可決定については、公安機関は直ちに執行し、さらに執行した事情を速やかに人民検察院に通知しなければならない。逮捕不許可決定については、人民検察院はその理由を説明しなければならず、追加捜査すべき場合は、同時に公安機関に通知しなければならない。

第八十九条 公安機関は、被勾留者に対し、逮捕の必要があると認めたときは、勾留後三日以内に、人民検察院に許可審査を請求しなければならない。特別な状況においては、許可審査の請求期間を一日乃至四日延長することができる。
2 放浪中に犯罪を引き起し、何回も罪を犯し、又は集団的犯罪を行う重大な容疑者に対しては、許可審査の請求期間を三十日まで延長することができる。
3 人民検察院は、公安機関から逮捕許可請求書を受け取った日から七日以内に、逮捕の許可又は不許可を決定しなければならない。人民検察院が逮捕を不許可とした場合は、公安機関は通知を受け取った後直ちに当該者を釈放し、同時にその執行した事情を人民検察院に通知しなければならない。捜査継続の必要があり且つ保釈又は居住監視の要件に該当する場合は、法により保釈又は居住監視を行う。

第九十条 公安機関は、人民検察院の逮捕不許可決定について、誤りがあると認めた場合は、再議を請求することができる。但し、被勾留者は直ちに釈放しなければならない。
意見が受入れられない場合には、直近上級の人民検察院に再審査を請求することができる。上級の人民検察院は、直ちに再審査し、変更するか否かの決定を下して、下級の人民検察院及び公安機関に通知し、執行させなければならない。

第九十一条 公安機関が人を逮捕するときは、逮捕状を示さなければならない。
2 逮捕後、被逮捕者を留置場に拘禁するよう送致しなければならない。通知するすべがない場合を除き、逮捕後二十四時間以内に被逮捕者の家族に通知しなければならない。

第九十二条 人民法院及び人民検察院は、それぞれ逮捕を決定した者について、また公安機関は人民検察院の許可を経て逮捕した者について、逮捕後二十四時間以内に取調べを行わなければならない。逮捕が不当であることが判明したときは、直ちに釈放し、釈放証明を発行しなければならない。

第九十三条 被疑者又は被告人が逮捕された後、人民検察院は該当者の拘禁の必要性について審査をなお行わなければならない。拘禁の継続が必要とされない場合には、釈放するか又は強制措置を変更するかを提言しなければならない。関連機関は十日以内に処理の事情を人民検察院に通知しなければならない。

第九十四条 人民法院、人民検察院及び公安機関は、被疑者又は被告人に対する強制措置が不当であることを発見したときは、直ちにこれを破棄し、又は変更しなければならない。公安機関は、被逮捕者を釈放するか、又は逮捕の措置を変更する場合には、許可した原人民検察院に通知しなければならない。

第九十五条 被疑者、被告人又はその法定代理人若しくは近親者、弁護人は、強制措置の変更を申し立てる権利を持つ。人民法院、人民検察院及び公安機関は、当該申し立てを受け取った後、三日以内に決定を下さなければならない。強制措置の変更を同意しない場合には、申立人に告知し、かつ不同意の理由を説明しなければならない。

第九十六条 被疑者又は被告人を拘禁した事件について、この法律に規定する捜査のための身柄拘束、審査、訴えの提起及び一審、二審の期限内に手続を終了することができない場合には、被疑者又は被告人を釈放しなければならない。調査又は審理の続行が必要である場合には、被疑者又は被告人に対し保釈又は居住監視を行うことができる。

第九十七条 人民法院、人民検察院又は公安機関は、強制措置を受け法の定める期限が満了した被疑者又は被告人に対し、釈放をし、保釈若しくは居住監視を解除し、又は法によって強制措置を変更しなければならない。被疑者、被告人又はその法定代理人若しくは近親者、弁護人は、人民法院、人民検察院又は公安機関の強制措置の法の定める期限が満了するときは、強制措置の解除を請求する権利を持つ。

第九十八条 人民検察院は、逮捕の許可審査を行うに当たって、公安機関の捜査活動に不法な状況のあることが判明した場合は、公安機関に通知して是正しなければならず、公安機関は是正の状況を人民検察院に通知しなければならない。

第七章 附帯民事訴訟

第九十九条 被害者は被告人の犯行によって物質的損害を受けた場合、刑事訴訟の過程において、附帯民事訴訟を提起する権利を持つ。被害者が死亡するか又は行為能力を喪失した場合には、被害者の法定代理人、近親者は、附帯民事訴訟を提起する権利を持つ。
2 国家の財産又は集団の財産が損害を受けた場合には、人民検察院は公訴を提起する際、附帯民事訴訟を提起することができる。

第百条 人民法院は、必要なときは、保全措置を講じ、被告人の財産を封印、差押え、
又は凍結することができる。附帯民事訴訟の原告又は人民検察院は、人民法院に対し保全措置の採用を申し立てることができる。人民法院は保全措置を講じる場合、民事訴訟法の関連規定を適用する。

第百一条 人民法院は、附帯民事訴訟事件を審理するとき、調解することができ、又は物的損失の状況に基づき判決、裁定を行う。

第百二条 附帯民事訴訟は、刑事事件と合わせて裁判しなければならず、刑事事件裁判の著しい遅延を防ぐ必要のある場合に限り、刑事事件裁判の終了後、同一の裁判組織が引き続き附帯民事訴訟を審理することができる。

第八章 期間及び送達

第百三条 期間は、時、日、月をもって計算する。
2 期間が開始する時及び日は、期間に算入しない。
3 法の定める期間には、送付途中の時間を含まない。上訴状又はその他の文書が期間満了前に郵送に付された場合には、期間徒過とはみなさない。
4 期間が満了する最終日が祝祭日・休日に当たる場合には、祝祭日・休日後の最初の日を期間満了の日とする。但し、被疑者、被告人又は犯人の拘禁期間は期間満了の最終日までとしなければならず、祝祭日・休日のために延長してはならない。

第百四条 当事者は、不可抗力事由その他の正当な理由により期間を徒過した場合には、障害が解消した後の五日以内に、期間満了以前に完了しなければならない訴訟活動を継続して行うことを申請することができる。
2 前項の申請を許諾するか否かは、人民法院が裁定する。
第百五条 召喚状、通知書その他の訴訟文書の送達は、受取人本人に交付しなければならない。本人が不在であるときは、その成人家族又は所属する単位の責任者に交付し、代理して受領させることができる。
2 受取人本人又は代理受領者が文書の受領又は署名、押印を拒絶した場合には、送達人は、隣人又はその他の立会人をその場に招請し、状況を説明して、文書を本人の住居に差し置くことができる。この場合には、送達証に受領拒絶事由、送達の年月日を明記し、送達人が署名することにより、送達したものとみなす。

第九章 その他の規定

第百六条 この法律の次の各号に掲げる用語の意味は、各号に定める通りである。
一 「捜査」とは、公安機関及び人民検察院が事件処理の過程において、法律に従って行う専門調査活動及び 関連する強制的措置をいう。
二 「当享者」とは、被害者、自訴人、被疑者、被告人、附帯民事訴訟の原告及び被告をいう。
三 「法定代理人」とは、被代理人の父母、養父母、後見人及び保護の責任を負う機関又は団体の代表者をいう。
四 「訴訟参加者」とは、当事者、法定代理人、訴訟代理人、弁護人、証人、鑑定人及び通訳者又は翻訳者をいう。
五 「訴訟代理人」とは、公訴事件の被害者又はその法定代理人若しくは近親者、自訴事件の自訴人又はその法定代理人の依頼を受けて訴訟に参加する者、附帯民事訴訟の当事者又はその法定代理人の依頼を受けて訴訟に参加する者をいう。
六 「近親者」とは、夫、妻、父、母、息子、娘及び実の兄弟姉妹をいう。